さよなら、嘘つき君。
第2章
▼縮まる距離
――5月中ごろになった。
あれから成瀬君とのことについて、女の子たちに責められることもなく、リカちゃんもなるべく私と話さないように過ごしていた。
私の方も、リカちゃんが少し怖くなり、関わりたくないなと思ってたので、それはそれでお互いよいのかもしれない。
『こころちゃん、今日は部活?』
そんなことよりも、毎日のように話しかけてくるのは成瀬君だった。
成瀬君と関わると、女の子たちから反感を買ってしまう。それが怖くて嫌だったけれど、そんなのお構いなしに、成瀬君は私に笑顔を向ける。
「今日はないけど……」