さよなら、嘘つき君。
「ゆきちゃんすごい!また入った」
『こころ、見てばっかいないで自分からパス貰いに行きなよ』
「バスケ苦手だし、みんなの足引っ張るからダメだよ~」
『ただの授業なんだから!それになんかスカッとするよ』
「スカッとね~」
私もミニゲームに参加し、がんばってボールをもらおうとするが、パスがうまく取れなくて、さっきからみんなに迷惑かけてばっかりだ。
そんな中『きゃ~!』と黄色い声援が聞こえた。
隣のコートを見ると、ちょうどシュートをスパッと決めた成瀬君の姿があった。そのシュートは綺麗に弧を描き、ゴールへと吸い込まれるように入った。