さよなら、嘘つき君。


さっきから女子たちの黄色い声援は消えない。成瀬君も男子たちと仲良さそうにバスケをしていた。

私も思わず、成瀬君を目で追ってしまう。


――あ、今笑った。


クラスの男子たちと楽しそうにバスケをしている成瀬君の笑顔は、本物のあの笑顔だった。それを見て私もつられて笑顔になる。


『あ!桜庭さん!!危ない!!!』


――ゴンッ


クラスメートの女の子の私を呼ぶ声が聞こえたと思ったら、一瞬で頭に痛みが走った。


「うっ…いたっ」



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