さよなら、嘘つき君。



◆◆◆◆◆◆


――パチッ


ゆっくりと目を開く。目の前には白い天井。だんだんと意識が戻ってきて、私が今保健室にいることがわかった。


『あ、起きた?』


そして、すぐ近くに成瀬君がいた。パイプ椅子に座って、私の顔を覗き込む。


「な、成瀬君!?」


びっくりして、思わず布団に顔を隠した。


『俺が運んだんだけど。こころちゃん、ボール顔面に受けて倒れちゃうから』

「そうだったんだ、あ、ありがとう」


照れくさくて、顔を隠しながらお礼を言う。



< 74 / 78 >

この作品をシェア

pagetop