さよなら、嘘つき君。
◆◆◆◆◆◆
――パチッ
ゆっくりと目を開く。目の前には白い天井。だんだんと意識が戻ってきて、私が今保健室にいることがわかった。
『あ、起きた?』
そして、すぐ近くに成瀬君がいた。パイプ椅子に座って、私の顔を覗き込む。
「な、成瀬君!?」
びっくりして、思わず布団に顔を隠した。
『俺が運んだんだけど。こころちゃん、ボール顔面に受けて倒れちゃうから』
「そうだったんだ、あ、ありがとう」
照れくさくて、顔を隠しながらお礼を言う。