さよなら、嘘つき君。
「成瀬君、授業は?」
体育の授業はすでに終わっただろう。次の授業にも出ずに、ずっと私のそばにいたってこと?
『こころちゃんが心配でずっとついてた。一応先生には言ってあるよ。本当はゆきちゃんがそばにいたいって言ってたんだけど、どうしても俺がそばにいたいって言ったの。いや、だった?』
「……成瀬君、私にどうしてそこまでするの?」
『こころちゃんが、気になるから。目が離せなくなる。それなのに、こころちゃん俺に冷たいから。だったら俺は逆に付きまとおうと思って』
「……ごめん、なさい。やっぱりわかってた?」
私が彼に対して少し冷たい態度をとっていたことはバレバレだったようだ。