嫌いは好きの言い様
第3話始まりの合図
【懍】

あたしは、着替えを済ませ、仕事に向かった。

「あ…今日曇りだ」

今のあたしはこの曇った空と一緒

自分の気持ちを出さない限り、太陽は出ない。

ずっとずっと、雲とゆう壁に隠れているままなんだ。

あたしは今25歳になった。

もう、あの三人には会ってない。

中学を卒業してから一度も会ってない。

もう決して会うこともない。

幼なじみという関係の時間は切れたからだ。

高校を卒業してからは、就職をした。

今はこの、マーケットホールディングスで営業をしている。

「おはようございます、米田課長」

「おはよう遠野君。相変わらず綺麗だね」

そしていつものセクハラが始まる。

本当に気持ち悪い。

所詮この場で女は下に見られてる。

拓也と付き合ってから全てがどうでも良くなった。

所詮、課長も拓也も常にあたしを下に見ている。

「…そういえば今日からこの営業部に新しい人が異動して来るんだよ。男だから君もしっかり教育してしっかり頼むんだよ」


…また男か。

「…分かりました。」
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