おばさんガール
佐藤さんのおばさんに 私たしか お弁当を忘れた事を伝えて 走ったんたよね。


家の前の道路で 靴がぬげちゃって…


それから。


それから どうした?


何も…思い出せない。



てゆうか、私


どうして病院にいるの?



「あの…」


「はい!三津代さん。」



三津代はとっさに 禿げ男の胸についていた名札に目をやった。

「柴田…さん? 私は」

柴田とゆうオジサンは、なんだか馴れ馴れしい感じだ。

「何です?みーつーよさんっ。」

柴田は嬉しそうに三津代を覗きこんだ。


あ…何かこの人苦手。


「あの…学校は?」

そう言った三津代に、一瞬柴田はきょとんとなった。

「三津代さん~。」


柴田はニヤッと笑い 気の抜けた笑顔をみせた。

「無理もないかぁ~、3日も眠っていれば、色んな夢みるよねえ。」

夢?

夢ってなに…。


「…3日?私、3日も寝てたんですか?」


「うん。3日起きなかったよ~。階段から転げ落ちてそれきり…打ち所が悪かったのかと心配してたんだよ~。」

三津代が目を覚まして嬉しいのか、時折ニヤつきながら柴田はそう言った。

階段…。

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