紳士的上司は愛を紡ぐ

「八王子君・二宮君、今から二人とも室長室へ来てくれないか。」

週明け月曜日、14時。

今週のスケジュールを確認しようと普段より少し早く出社した私は、来るなり室長に呼び出された。

アナウンス室の少し離れた机に座る八王子アナと目が合い、軽く微笑まれる。

昼過ぎに出社して、深夜ニュースの放送へ向かう私とは違い、朝の情報番組を担当する彼は、今日もおそらく午前6時出社、10時に生放送を終えた後、その他レギュラー収録を済ませたのであろう。


それでもまだあの笑顔ができるとは……。
一体どこで隙を見せているのだろうか。

疑問を抱きながら、八王子アナが室長室へ向かう姿を確認し、後ろから同行する。
ノックをして入室する彼に続き、慣れない室長室へと足を踏み入れた。

応接用のソファーに、八王子アナと並んで座り、アナウンス室長と向かい合う。

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