紳士的上司は愛を紡ぐ
「ん。っはぁ、八王子アナっ……」
「麻里、名前を呼んで?」
「……と、"透さん"。」
息を繋ぐため呼び止めた声は、いつの間にか彼の名前を告げる。
「好きだ。これからも、ずっと。」
熱を保ったままの彼の唇が、深く熱情を持った声で愛を伝える。
「透さん。私、とても幸せです。」
堪えきれなかった涙と共に、彼の想いに応える。困ったように微笑みながら、長い指が雫を掬った。
「そんなに泣かないで。君の涙には弱い。」
「だって、、っ嬉しくて……。」
彼に泣き顔を見られたくなくて、両手で目元を覆う。
「じゃあ……これで泣き止んでくれる?」
抑える手に自身の手を重ね、彼は額に一つキスを落とした。