紳士的上司は愛を紡ぐ
"八"王子アナと、"二"宮の私で、
足すと放送時間の"10"時になると。
……な、なるほど。
それで自身が採用されたのかと納得はいくものの、やはり動揺は隠せない。
「あの、私はバライティー経験もほとんどないのですが、それでも制作側は宜しいと?」
思わず、室長にそう尋ねた。
「勿論、制作側の了承は得ている。
又、八王子君の希望もあってのことだ。」
八王子アナの希望……?
室長のはっきりとした返答に驚きながら、隣にいる彼の方を勢いよく振り向く。
「……宜しく、二宮アナ。」
目が合った彼は、優雅に笑った。