紳士的上司は愛を紡ぐ
大きな疑問を抱きながら、ちらりと彼の方に目をやる。
「私のトーク展開的には、彼女が適任だと思ったんですよ。」
私と目が合った八王子アナは、その疑問に答えるように言った。
人気者の八王子アナには、キラキラした"女子アナ"タイプがお似合いだと思いますけど。
イマイチ納得がいかず、内心そう呟いた。
「へぇ〜、それは二人がどんなトークをしてくれるのか楽しみだ。」
遠藤さんは試すような視線を八王子アナに向ける。彼は真剣な瞳で、遠藤さんを見つめ返していた。
その横顔に思わず見惚れてしまう。
……だから苦手なんだ、彼のことは。
私の安定をこれ以上乱されたくない。
そう思いながら、慌てて首を横に振った。