紳士的上司は愛を紡ぐ

『Weekdays night』の放送後、午前3時。

金曜日の放送を終えた私は、とうとう週明けに第1回目の収録を控えた『8+2=』に向けて、原稿に目を通していた。

土曜日夜中の3時のオフィスは人も少なく、外から漏れるビルの明かりも弱まっている。

「"10時" …、"10日"……。」

原稿には"10"に関する質問等が多いため、数詞の正しいアクセントを確認する。

アナウンスにおいて日本語の正しいアクセントとは、視聴者に伝わりやすくする上で重要でありる。

国営放送局監修のアクセント辞典で、正しい発音を確認しながら、原稿にある質問事項を読んでいく。

高校放送部時代からアクセント辞典を引く癖がついている私にとって、原稿確認はもはや習慣になっている。

正直、アナウンサーになった後もアクセント辞典を引く人は少ない。
それは勿論、正しいアクセントを身につけている人が多いからだ。

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