紳士的上司は愛を紡ぐ

私のように自ら好んで、深夜ニュースを担当する女性アナウンサーは、かなり少ない。
勿論私自身、他の番組に出演したくないわけじゃなかった。

ただ、バラエティや朝の顔となる
"女子アナ"
の雰囲気に、私はなりきれなかった。

純粋に原稿と向き合い、誰かに伝えることだけに専念したかった。

華やかな彼女達は本当に眩しい。ただ自身は、大勢で番組を盛り上げていく"女子アナ"には向いていないと気付いたのだ。


"女性アナウンサー"でいい。
むしろ"女子アナ"と呼ばないで。


これが私の仕事のモットー。


"女子アナ"になれた方が、幸せだったのだろうか。もっと色んな原稿と出会い、沢山の人に伝えられたのだろうか。

少し疑問に思いながらも、午前3時、私はいつものように眠りについた。
< 3 / 143 >

この作品をシェア

pagetop