紳士的上司は愛を紡ぐ

「お二人とも私の存在、忘れてませんか?」

その間を割って入った八王子アナの寂しそうな発言に、スタジオは笑いに包まれた。

「あら、ごめんなさいね、何の話をしていたんでしたっけ?」

神谷さんの問いに、自身の役割を思い出す。

「普段10時にされていること……なんですが、
"甘いもの"がお好きなんですか?」

神谷さんの答えも、台本進行も、頭の中に素早く戻ってきた。

「そうなの!実はね〜〜」

といった様子で、神谷さんが自身のプライベートでよく食べるスイーツについて話し始める。

その後、今回は神谷さんオススメのスイーツ10選からベスト3をスタジオ味わい、収録は問題なく進行する。

"10"歳の頃の写真や、"10"年来の友人等、質問事項もスムーズに進んだ。


「……収録は以上です。お疲れ様でした〜!」

遠藤プロデューサーの声がスタジオに響く。


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