紳士的上司は愛を紡ぐ
確かに編集スタッフさんのお力添えのお陰もあり、番組は私自身、収録での予想以上に面白いと感じた。
「でも、ますます人気でしょうね。」
涼子は、溜息交じりにそう呟く。
「それって、八王子アナのこと?」
「そりゃそうよ。それと勿論、麻里もね。」
……私?
いやいや、それはないでしょう。
「当たり前でしょ、この見出しにだって、"上品アナ"って書いてあるんだし。」
トントン彼女はスマホの画面を指す。
"上品アナ"って、一体どこからそのような異名かが出たのだろうか。
注目されるのは、八王子アナだけで十分だと思うのに。
「私は、ゲストと八王子アナの"引き立て役"でいいんだけど……」
私の沈んだ声色に、涼子は少し笑った。