紳士的上司は愛を紡ぐ


「カッコいい〜〜!男の僕から見ても、やっぱり八王子アナは"プリンス"ですね!」

観覧席に同意を求めながら盛り上がる颯さんの声に、はっと目を覚ます。

違う、私に向かって言ったんじゃない。

あくまで "あのシュチュエーション"に対して。
頭では十分理解している。

はずなのに、結局、収録が終わっても、
彼の"好きだ"という声が、
私を捕らえて離さない瞳が、
鼓膜に、脳裏に、焼き付いたままだった。


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