紳士的上司は愛を紡ぐ
そういう事態にならなくて、まずは良かったと思っておこう。
ほっとしながら涼子と別れ、『Weekdays night』の打ち合わせへ向かった。
*
その日の深夜『Weekdays night 』放送終了後、いつものように残ってアク辞にかじりついていると、
「お疲れ様です。」
と、八王子アナが2缶のミルクティーと共にやって来た。当然のように、一つを私のデスクの片隅に置く。
いい加減私からも差し入れた方が良いのだろうかと思いつつも、多忙な彼とは収録かこの深夜のオフィス以外、遭遇する機会がなくタイミングを逃している。
「いつも、すみません。」
恐縮しながら、デスクの引き出し偶然あったチョコレートの包みを1つ差し出す。