紳士的上司は愛を紡ぐ

そういう事態にならなくて、まずは良かったと思っておこう。

ほっとしながら涼子と別れ、『Weekdays night』の打ち合わせへ向かった。





その日の深夜『Weekdays night 』放送終了後、いつものように残ってアク辞にかじりついていると、

「お疲れ様です。」

と、八王子アナが2缶のミルクティーと共にやって来た。当然のように、一つを私のデスクの片隅に置く。

いい加減私からも差し入れた方が良いのだろうかと思いつつも、多忙な彼とは収録かこの深夜のオフィス以外、遭遇する機会がなくタイミングを逃している。

「いつも、すみません。」

恐縮しながら、デスクの引き出し偶然あったチョコレートの包みを1つ差し出す。
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