紳士的上司は愛を紡ぐ

心当たりって……

「一体、何のっ…………!!」


尋ねようとしたはずの口は、


───八王子アナによって塞がれる。


刹那、
反射的に突き放したのが先か、
彼から離れたのが先か、
その感覚をはっきりと感じた時にはもう、彼との間に距離があった。


「何のつもりですか!?」

自分に起こったことが理解出来ず、深夜のオフィスだというのに、思っていた以上に大きい声が出てしまう。

「二宮アナにとってこれは、ギャップに入りますか?」

そんなことを聞いて、一体何になるのか。

「分かりません、からかわないで下さいっ。」





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