紳士的上司は愛を紡ぐ
「そこでさらにキスなんかされちゃったりしたら、普通は動揺するよね。」
「そうだよ。キスはするし、
"好きだ"とか言うし。」
「…………はぁ!?プリンス、麻里に向かって
"好き"って言ったの?」
私の呟きをすかさず拾った彼女が、ダイニングテーブルから身を乗り出す。
「えっ?あ〜、違う。えっとその……」
これが、イマイチ確証が無いから困っているのだ。結局いくら考えてもあの収録時、彼が私に向かって伝えたのは、"好きだ"の言葉以外、思いつかない。
不安を抱えつつ、そのまま相談する。
「へぇ、あのOAのセリフ、やっぱり麻里に言ってたんだ。プリンスの顔だけアップで抜かれてるから、気付かなかった。」