紳士的上司は愛を紡ぐ

「おはようございます。遠藤さん。」

年内特番や生放送スケジュールを確認するEBS内でも大規模な会議に出席すると、そこには当然遠藤さんの姿もあった。

「あぁ、二宮、おはよう。今年は『8+2=』でお世話になったな。お疲れ様!」

『8+2=』での仕事が認められたのか、遠藤さんは最近、気さくに話してくれるようになった。

「まだ未熟者ですが、来年も宜しくお願い致します。」

「おう!もう一人の売れっ子王子様は〜
……居ないみたいだな。」

会議室を見渡すと、八王子アナの姿は無い。オフィスでどんな顔をして会えばいいのか悩んでいた為、密かにほっと息をつく。

< 91 / 143 >

この作品をシェア

pagetop