私を溺愛してください!
3.愛を知らない御曹司に、枯れた女の愛情を
…その夜、宗吾はまた私の家に泊まった。

女が嬉しくなるような言葉を、何度も囁いた。

…が、私の横で眠る宗吾を見つめながら、思った。

『好き』『愛してる』等と言う言葉を、宗吾は言わない。

溺愛するとか、虜になったとかは言ったけど、肝心な言葉は何一つ、言おうとはしない。

そう簡単に、言える言葉ではないけれど、一言でも言ってくれたら、不安なんて無くなるのに。

…かといって、好きかと聞かれれば、正直まだ分からない。

勿論、宗吾に惹かれているのは確かだし、受け入れている。

でも、まだ出会って間もない私達。


本当に好きなのか、定かではない。

…若ければ、好きだ好きだと、突っ走れるが、今の私はもうこの年だ。

どうしても、慎重になってしまう。

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