私を溺愛してください!
「…貴女が葉瑠さん?」

社長夫人の言葉に、はい、と頷く。

「…まぁ、立ち話もなんだから、とりあえず座ろうか」

社長の言葉に、皆がそれぞれ席についた。

社長、社長夫人、お嬢様。

私と宗吾。

対面に座り、とりあえず、落ち着いてるように見せていたが、内心はドキドキして、心臓が破裂しそうだ。

「…宗吾、本当に、そちらの方と、結婚なさるおつもり?」

社長夫人の言葉に、目を見開いて、あからさまに驚いてしまった。

慌てて目線を宗吾に向けると、宗吾は私を見て、フッと笑みを浮かべる。

何も言うな、そう言ってるようだ。

「…はい、そのつもりです。近々、今住んでる家に、葉瑠を迎えようと、準備中です」

あー。

この人たちは、一体何の話しをしているのか?

全く自分には関係のない話しをしてるの?

…いや、当事者なのは、私のようだ。

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