私を溺愛してください!
おでこに、頬に、鼻に、瞳に…

触れるだけのキスをする。

葉瑠は困惑した顔で俺を見た。

「…結婚するなら、葉瑠がいい…葉瑠以外と結婚するなんてあり得ない」

それは、俺の本心だった。

確かに最初は、利用しようとしたが、知らぬ間に、葉瑠への想いが本物になっていた。

「…そんなの信じない」

葉瑠は頑なに心を閉ざしている。

「…信じられないなら、ずっと俺の傍で、俺を見てて」
「…なにを」

「…一緒に暮らそう、葉瑠」
「…婚約者はどうするの?」

「…何度だって断る。謝罪して、諦めてもらう」
「…そんなの無理よ。貴方は会社を継ぐ身。勝手は許されないわよ」

「…葉瑠、俺の傍にいて」

懇願するようにそう言って、俺は葉瑠を抱きしめた。
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