私を溺愛してください!
「…ご両親とは、仲良かったですか?」
「…いや、仲良くはなかったかな。常に上を目指せと言うような両親だったから」

あー、この人は、愛し方も、愛され方も、知らないんだ。

きっと、甘えたり、甘えられたりもなかっただろう。

私は、どうしようもなく、宗吾を抱き締めたくなって、ぎゅっと宗吾を抱きしめた。

「…葉瑠?」

少し驚いたような、宗吾。

「…私でいいなら、傍にいます」
「…葉瑠」

愛してあげたい。そして、愛されるって幸せだって知ってもらいたい。

「…私が傍にいてもいい?」

そう言って顔を覗きこむと、宗吾の顔がパアッと明るくなった。

「…もちろん、俺が望んだことだから」

そう言うと、宗吾も私を抱き締め返した。
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