私を溺愛してください!
凄く雰囲気のある店で、客も少なめ。

私にとっては、最高の安らぎの場。

カランカラン。

ドアを開けると、バーテンダーの澪(れい)が、私に微笑みかける。

「…いらっしゃい」
「…こんばんは。良かった、お客さんはまだまばらね」

「…一時間後には、満席になるよ」

優しいイケメンスマイルに、更に癒される。

「…そうなのよね、私の安らぎの時間は一時間だけ」
「…まあ、そう言わずに。いつものでいい?」

「…うん、お願い」

そう言って、出て来たのは『メキシカン』

テキーラの中でも歴史のあるカクテル。

テキーラにパイナップルジュースを加え、ざくろと砂糖で出来たシロップを入れたもの。

甘くて、女性も飲みやすい。

「…うーん、やっぱり澪の作るカクテルは最高」

私の感想に、澪はご満悦。

「…はい、これ、サービスね」
「…ぇ、いいの?」

「…簡単なパスタだけどね、空きっ腹に酒はよくないだろ?あ、他の客には出さないから、ヒミツね」

私は笑顔で頷いた。
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