私を溺愛してください!
やっぱり具合が悪くなったのかもしれない。

家につき、何度かインターホンを鳴らしてみる。

が、やはり応答はない。

…最後の手段。

貰っていた合鍵で、葉瑠の家の中に入った。

中は真っ暗。だが、廊下の奥からテレビの音が微かに漏れてくる。

「…葉瑠?」

部屋に通じるドアを開けて、葉瑠の名を呼ぶ。

…葉瑠は、リビングのソファーに座って、テレビを見ている?

俺は、葉瑠に近寄るなり、葉瑠の目の前でしゃがみこむと、葉瑠の手を握った。

「…葉瑠、具合が悪いのか?」
「…宗吾さん、…そうなの…具合が悪いから、今夜は帰って、お願い」

覇気のない葉瑠の声。

具合が悪い…そんな感じじゃないのは、様子を見て直ぐにわかった。

「…会社で何かあった?」

葉瑠の表情は変わらない。

だが、微かに手が動いた。
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