私を溺愛してください!
…朝日が眩しくて、目が覚めた。

…いつの間にか眠ってしまった俺に、葉瑠は毛布をかけてくれたようだ。

「…葉瑠?」

葉瑠は先に起きていて、キッチンに立っている。

立ち上がろうとした俺は、ポケットから携帯を落とした。

…留守電が一件。

相手は凛花からだった。

『こんばんは、宗吾さん、今日、高嶺社長に結納の話しをしに行きました。それと、葉瑠さんと言ったかしら、彼女に、その話しもしてありますから。詳しい話は後日』

俺は、驚いた。

あの日以来、ことある毎に、凛花には断り続けていた。

凛花のご両親にも断りと謝罪に行った。

納得してくれている筈だったのに、どうして突然結納の話が出てくる?

…ウソつき。

昨夜の葉瑠の言葉に、ようやく合点がいった。

俺は立ち上がると、葉瑠の後ろに立つなり、葉瑠をぎゅっと抱き締めた。

葉瑠は驚いて体をビクつかせた。

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