私を溺愛してください!
…案の定、一時間後には、満席になっていたが、私はまだ一番隅の席で、相変わらずカクテルを飲んでいた。

今夜はなんだか気分がいい。

「…葉瑠さん、ちょっと飲みすぎだよ?そろそろ終わりにしたら?」

心配した澪が、私に言う、が。

「…大丈夫よ。明日は会社も休みだし、家も近いし」

と、聞く耳を持たない酔っぱらいの出来上がり。

まぁ、確かに店から家まで、徒歩10分。

千鳥足でも、十分に帰れる。

「…気分が良かったのに」

私は小さい声で、ボヤいた。

だって、2席離れた所に座っているのは、ラブラブのカップル。

肩を寄り添わせ、イチャイチャ。

…わたしもあぁやって、溺愛されたい。

…きっと同棲してるんだろうな。

私もしたいな。大好きな人と。

同棲?いや、そんなもんじゃだめ。

結婚したい!!!

…彼氏なんて、もう何年もいないな。

こんな枯れた女、誰も相手にしないか。

「…あ、葉瑠さん、ここで寝ちゃダメ」
「…んー、少しだけ、ね」

カウンターに突っ伏して、私は深い眠りについた。
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