私を溺愛してください!
《澪side》

葉瑠が帰った後、俺は大きなため息をついた。

「…どうしてあんなこと」

この店を始めて数年。客に好意を抱いたことなんてただの一度もなかった。

いや、この店を始めて間もない頃から、葉瑠は毎週末個々に通っていた。

始めは、本当にただの客。

それが常連になり、葉瑠と色んな話をするようになって、自分の中で、葉瑠に対する気持ちが変わってきていることに気づかなかった。

宗吾と葉瑠が、急接近して、自分の想いに気づいたときには、二人はもう付き合っていて。
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