私を溺愛してください!
…店のドアが開いて、宗吾が入ってきた。

「…遅くなって悪い。仕事が長引いて。珍しいな、澪から会いたいなんて電話くれるなんて」

仕事を終えた宗吾が、店にやって来た。

呼び出したのは勿論俺で。

「…座って。いつものでいい?」
「…いや、車で来たから今日は止めとく。それで、何か俺に用事?」

それには答えず、とりあえず、ホットコーヒーを淹れると、宗吾の前に置いた。

「…ありがとう」

そう言うと、宗吾はそれを少し飲んだ。

「…葉瑠さんの事なんだけど」

俺の言葉に、宗吾が少し驚いたような顔で俺を見た。

「…葉瑠?葉瑠がどうした?」
「…お前、葉瑠さんのこと、本気なんだよな?」

今度は少し、怪訝な顔をした。

「…勿論本気だよ。…澪、何が言いたい?」
「…宗吾が来る前、葉瑠さんがここに来た。お前との事が不安だって、今にも不安で押し潰されそうな顔して」

その言葉に、宗吾の顔が歪む。
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