私を溺愛してください！

《宗吾side》

やっと泣き止んだ葉瑠。

泣き止んでもなお、その顔を上げることはない。

俺は、そんな葉瑠の髪を優しく撫でる。

俺はどれだけ、葉瑠に我慢をさせていたんだろう。

どれだけ、不安な想いをさせていたんだろう？

愛してやまない彼女をこんなにも窮地に追い詰めていたのかと思うと、自己嫌悪に落ちずにいられなかった。

…どうすれば、葉瑠に不安な思いをさせずにすむのか？

…いずれはと、考えていたことだが、もう、これ以上、先伸ばしにできる事ではないと、思わずにいられなかった。

「…葉瑠」
「…なに？」

「…今週末、俺の両親に会ってくれないか？」

葉瑠はその言葉に驚いて、顔をあげた。

「…なっ、なっ」
「…凛花は、もう心配ない。両親に、葉瑠を紹介したい。俺が一生ともにしたい女を」

真っ赤な目で、瞬き一つしないで俺を見つめる葉瑠。

俺は、優しく微笑んで、葉瑠の頭を優しく撫でる。


「…結婚しよう、葉瑠」
「…なっ、ば、は、早まらないで。宗吾さんは会社の後継者で、私は三十路のおばさんで、ただの平社員で…け、結婚なんて、そんな大それた」

「…もう決めたことだ。葉瑠を離す気なんて、更々ない。葉瑠は俺のそばで、俺が幸せにする。だから、結婚しよう」