私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「私、石堂さんが好きです」

へ? わ、わわ私、何言ってるの――!?

見ると、石堂さんが目を丸くして言葉を失っている。

熱のせいで理性も機能しないのか、むき出しの本音が口からポロリとこぼれた。

今、私……なんかすごいことを言っちゃったような――。

「お前、熱でおかしくなってるんじゃないか?」

「……そう、みたいです」

石堂さんが好き。石堂さんが好き。石堂さんが好き――。

心の中でもうひとりの私がそう叫んでいる。

「あ、あの……今の――」

「聞かなかったことにしてやる」

聞かなかった……こと――。

思わず告白してしまったことを取り消したい。取り消したいはずなのに、石堂さんのその言葉は、私の胸を抉った。

私、振られたのかな――。

あぁ、もう……このシチュエーションで告白しちゃうなんて――。

いくらなんでもタイミング悪すぎるよね――。

どんよりとした自己嫌悪に襲われ、こうしている間にも身体は限界を迎えていた。
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