私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「っ!?」
ビクッと身を震わせて目を開けると、自宅の天井が浮かんでくる。部屋はまだ薄暗く、時刻は朝七時を回ったところだった。カーテンの隙間から、柔らかな朝日が差し込んでいる。
また姉の夢を見ていた。あの家族写真を見てからというもの、姉との夢をよく見るようになった。のろのろと上半身を起こしたその時。
「起きたか?」
部屋の隅で低い声がしハッとなる。見ると石堂さんが壁に背を寄せ、長い足を伸ばして座っていた。そしてコーヒーの淹れ方の本を手にしている。
そうだ。昨日、石堂さんがうちに来て――。
昨日の出来事をゆっくりと思い出すと、断片的に記憶が蘇る。
――私、石堂さんが好きです。
そうだ……。私、どさくさに紛れて石堂さんに――。
あぁ~、私の馬鹿――!!
熱が下がっているのか、幾分思考回路がまともだ。それだけに昨夜の自分の告白が一層恥ずかしく思えて、私は布団に思い切り顔をうずめた。
「お前、なにしてんだ? 熱でついに頭がおかしくなったか?」
「違いますよ。こんなやつれた顔、見られたくないだけです」
かなり汗をかいたのか、喉が渇いてしょうがない。それに身体もベトついて不快だ。
「もしかして一晩中、ずっといてくれたんですか?」
「冷却材を買って帰ってきたら、うなされてた。そんな状態を置いて帰れないだろ」
「うなされてた……?」
頭に敷いていたタオルに触れると、まだ冷たさの残る冷却材がくるまっている。
「冷却材、ふたつ買ってきてやったから、それがぬるくなったら冷凍庫のものと交換しろよ」
「はい、何から何まですみません……」
昨日、一日中寝ていたせいか、頭がぼーっとする。寒気はもうほとんど感じない。
ビクッと身を震わせて目を開けると、自宅の天井が浮かんでくる。部屋はまだ薄暗く、時刻は朝七時を回ったところだった。カーテンの隙間から、柔らかな朝日が差し込んでいる。
また姉の夢を見ていた。あの家族写真を見てからというもの、姉との夢をよく見るようになった。のろのろと上半身を起こしたその時。
「起きたか?」
部屋の隅で低い声がしハッとなる。見ると石堂さんが壁に背を寄せ、長い足を伸ばして座っていた。そしてコーヒーの淹れ方の本を手にしている。
そうだ。昨日、石堂さんがうちに来て――。
昨日の出来事をゆっくりと思い出すと、断片的に記憶が蘇る。
――私、石堂さんが好きです。
そうだ……。私、どさくさに紛れて石堂さんに――。
あぁ~、私の馬鹿――!!
熱が下がっているのか、幾分思考回路がまともだ。それだけに昨夜の自分の告白が一層恥ずかしく思えて、私は布団に思い切り顔をうずめた。
「お前、なにしてんだ? 熱でついに頭がおかしくなったか?」
「違いますよ。こんなやつれた顔、見られたくないだけです」
かなり汗をかいたのか、喉が渇いてしょうがない。それに身体もベトついて不快だ。
「もしかして一晩中、ずっといてくれたんですか?」
「冷却材を買って帰ってきたら、うなされてた。そんな状態を置いて帰れないだろ」
「うなされてた……?」
頭に敷いていたタオルに触れると、まだ冷たさの残る冷却材がくるまっている。
「冷却材、ふたつ買ってきてやったから、それがぬるくなったら冷凍庫のものと交換しろよ」
「はい、何から何まですみません……」
昨日、一日中寝ていたせいか、頭がぼーっとする。寒気はもうほとんど感じない。