私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「具合はどうだ?」

「昨日よりはだいぶいいみたいです」

まだほんのり熱の残滓が残っている感じはするけれど、どうにか倦怠感はなくなった。

「油断すんなよ、ぶり返したらやっかいだからな。食欲はあるか?」

「少しなら……」

「ちょっと待ってろ」

すくっと立ち上がってキッチンの方へ行くと、石堂さんはなにやら袋から取り出し、電子レンジで温め始めた。そしてしばらくすると……。

「ほら、食べれらるだけでいいから食っとけ。昨日、作って持ってきておいたんだけど、昨夜は食える状態じゃなかったみたいだからな」

「わぁ、卵雑炊ですね」

石堂さんが持ってきてくれたトレーから器を手に持つと、じんわりと手のひらに温もりが広がった。温かな出汁の効いた湯気がほわっとして、今まで失せていた食欲がぐっと引き出される。
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