私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
石堂さんの双眸に捕らえられた瞬間、鼓動がダイレクトに鼓膜に響いた。
いつも無愛想に細める目。石堂さんの長い睫毛の向こうにある漆黒の瞳に私が映っている。奥深く、底が見えない泉のようだった。心の中まで見透かされそうな視線に自身が吸い込まれていきそうな錯覚を覚えた。
「お前、俺に認められたいって言ってたな。けど、その認識は間違ってるぞ」
「え……?」
「俺に認められるんじゃない。お前の作ったコーヒーを飲んだ客に認められるんだ。俺には俺の、お前にはお前の味があるだろ」
お客さんに、認めてもらう――。
「石堂さん……」
「絶対諦めないって、今すぐここで誓え。じゃなきゃ、お前はクビだ」
石堂さんの視線に絡めとられながら、くじけてぼろぼろになった心が徐々に癒えていく気がした。そして全身に力が漲っていくような不思議な感覚。
変わらなきゃ――。
今までの自分は嫌なことを避け、自分より勝っている人を影でいつも羨ましい、と指をくわえて眺めているだけだった。心のどこかで優等生だった姉を思い出してはその劣等感に押しつぶされそうになっていた。
そんな情けない私はもう終わり――。
だって、こうして私のことを見ていてくれる人がいるんだから――。
「はい。私、絶対諦めません。誓います」
そういうと、石堂さんが表情を緩め、微かに笑みを浮かべた。
「俺がお前をバリスタの高みへ押し上げやる」
「石堂さん……」
そんな力強い言葉を胸に、私と石堂さんは自然と見つめ合う。
石堂さんに、キスしたい――!
いつも無愛想に細める目。石堂さんの長い睫毛の向こうにある漆黒の瞳に私が映っている。奥深く、底が見えない泉のようだった。心の中まで見透かされそうな視線に自身が吸い込まれていきそうな錯覚を覚えた。
「お前、俺に認められたいって言ってたな。けど、その認識は間違ってるぞ」
「え……?」
「俺に認められるんじゃない。お前の作ったコーヒーを飲んだ客に認められるんだ。俺には俺の、お前にはお前の味があるだろ」
お客さんに、認めてもらう――。
「石堂さん……」
「絶対諦めないって、今すぐここで誓え。じゃなきゃ、お前はクビだ」
石堂さんの視線に絡めとられながら、くじけてぼろぼろになった心が徐々に癒えていく気がした。そして全身に力が漲っていくような不思議な感覚。
変わらなきゃ――。
今までの自分は嫌なことを避け、自分より勝っている人を影でいつも羨ましい、と指をくわえて眺めているだけだった。心のどこかで優等生だった姉を思い出してはその劣等感に押しつぶされそうになっていた。
そんな情けない私はもう終わり――。
だって、こうして私のことを見ていてくれる人がいるんだから――。
「はい。私、絶対諦めません。誓います」
そういうと、石堂さんが表情を緩め、微かに笑みを浮かべた。
「俺がお前をバリスタの高みへ押し上げやる」
「石堂さん……」
そんな力強い言葉を胸に、私と石堂さんは自然と見つめ合う。
石堂さんに、キスしたい――!