私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「彼は石堂健人代表取締役のご子息ということもあって、雅人さんも会長の弟という立場ではありますが……一時的に店長を交代したのは、石堂に気を遣ったのかもしれません」
「え……?」
い、今……なんて――?
ご子息――?
水谷さんの言葉に私は再び衝撃を受ける。驚きを隠せず目を丸くしていると、水谷さんが話を続けた。
「すみません、つい口外してしまいましたが、石堂が本社の人間で副社長の身であることは内密にお願いいたします。知れてしまうと、他の従業員も働きづらいでしょうから……」
石堂さんが……スフラグループ会長の息子――。
そんなの、知らなかったよ――。
石堂さんがまるで遠い存在に思えてならない。私は胸が締め付けられる衝動をぐっと堪えた。
「そう、だったんですか、知りませんでした。でも、どうして私に話してくれたんですか?」
「そうですね、特にたいした理由はありませんが……信用の置けそうな人だったから、ですかね」
もちろん、石堂さんが副社長で本社の人だなんて怜奈にも他の従業員にも言えない。
「あの、報告書というのはいつ頃完成なんですか?」
「……なぜです?」
あまり踏み込んだ質問をしたつもりはなかったが、水谷さんは少し警戒するようにじっと私を凝視した。
「え……?」
い、今……なんて――?
ご子息――?
水谷さんの言葉に私は再び衝撃を受ける。驚きを隠せず目を丸くしていると、水谷さんが話を続けた。
「すみません、つい口外してしまいましたが、石堂が本社の人間で副社長の身であることは内密にお願いいたします。知れてしまうと、他の従業員も働きづらいでしょうから……」
石堂さんが……スフラグループ会長の息子――。
そんなの、知らなかったよ――。
石堂さんがまるで遠い存在に思えてならない。私は胸が締め付けられる衝動をぐっと堪えた。
「そう、だったんですか、知りませんでした。でも、どうして私に話してくれたんですか?」
「そうですね、特にたいした理由はありませんが……信用の置けそうな人だったから、ですかね」
もちろん、石堂さんが副社長で本社の人だなんて怜奈にも他の従業員にも言えない。
「あの、報告書というのはいつ頃完成なんですか?」
「……なぜです?」
あまり踏み込んだ質問をしたつもりはなかったが、水谷さんは少し警戒するようにじっと私を凝視した。