私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「いえ、ただ……石堂さんといつまで一緒にお仕事ができるのかなって……」
妙な勘ぐりはされたくない。けれど、私は純粋にそう思ったことを口にした。水谷さんはしばらく黙っていたが、ぽつりと口を開いた。
「大変失礼な憶測ではありますが……石堂と仕事以外で他にご関係が?」
「えっ!? い、いいえ、そんなんじゃありません」
予想外のことを聞かれて、私は動揺を隠すように素早く手を振って否定した。
「それに、私、石堂さんから嫌いなタイプって言われてますし」
「そうですか……嫌いな、タイプ……ですか……」
すると、水谷さんは少しの間、黙って考え込むような表情で一点を見つめていたが、我に返るようにぱっと顔をあげてニコリと笑うと言った。
「ですが、何もないのであればよかったです」
よかった……って――?
水谷さんの意味深な言葉が引っかかる。それに、嫌いなタイプといった時の妙な間も……。
その真意を尋ねてもいいかどうか考えあぐねていると、水谷さんの方から答えが帰ってきた。
「実は、近々石堂はとある大企業社長の令嬢と婚約が決まっていまして、まぁ、彼本人はあまり気乗りしていないみたいですが……その、我社にとっても意義のある婚約ですので……」
水谷さんはオブラートに包んだような言い方をしていたけれど、要は会社の利益になる婚約を邪魔しないで欲しい。そういうことなのだろう。
石堂さんが……婚約――。
それも大企業令嬢と……そっか、そうだったんだ――。
妙な勘ぐりはされたくない。けれど、私は純粋にそう思ったことを口にした。水谷さんはしばらく黙っていたが、ぽつりと口を開いた。
「大変失礼な憶測ではありますが……石堂と仕事以外で他にご関係が?」
「えっ!? い、いいえ、そんなんじゃありません」
予想外のことを聞かれて、私は動揺を隠すように素早く手を振って否定した。
「それに、私、石堂さんから嫌いなタイプって言われてますし」
「そうですか……嫌いな、タイプ……ですか……」
すると、水谷さんは少しの間、黙って考え込むような表情で一点を見つめていたが、我に返るようにぱっと顔をあげてニコリと笑うと言った。
「ですが、何もないのであればよかったです」
よかった……って――?
水谷さんの意味深な言葉が引っかかる。それに、嫌いなタイプといった時の妙な間も……。
その真意を尋ねてもいいかどうか考えあぐねていると、水谷さんの方から答えが帰ってきた。
「実は、近々石堂はとある大企業社長の令嬢と婚約が決まっていまして、まぁ、彼本人はあまり気乗りしていないみたいですが……その、我社にとっても意義のある婚約ですので……」
水谷さんはオブラートに包んだような言い方をしていたけれど、要は会社の利益になる婚約を邪魔しないで欲しい。そういうことなのだろう。
石堂さんが……婚約――。
それも大企業令嬢と……そっか、そうだったんだ――。