私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「このクソ寒い中、ひとりで何やってんだ」
「……何もしてませんよ、ただ……ひとりになりたかっただけです。もう、帰りますから……すみません、いきなり店を飛び出したりして」
すっとベンチから立ち上がると、視界がぐらついて思わずバランスを崩しそうになった。
「おい」
咄嗟に石堂さんが私の腕を取って身体を支えた。
「すみません、ちょっと疲れてるみたいで……」
うまく笑えない。明らかに自分は作り笑いをしている。まともに石堂さんの顔を見られずに俯いていると、不意に取られた腕を引き込まれた。
「っ――!?」
すっかり冷え切ってしまった身体に、石堂さんの温もりがじわっと伝わってくる。けれど、今はその温もりさえも悲しい。
「水谷になんて言われた? 俺が本社の人間で、人材開発部の部長とスフラグループの副社長を兼任している。それだけか?」
まだ他にも言われたことがあるだろう?と言われているようで、私は下手に誤魔化すのはやめてその重い口を開いた。
「……何もしてませんよ、ただ……ひとりになりたかっただけです。もう、帰りますから……すみません、いきなり店を飛び出したりして」
すっとベンチから立ち上がると、視界がぐらついて思わずバランスを崩しそうになった。
「おい」
咄嗟に石堂さんが私の腕を取って身体を支えた。
「すみません、ちょっと疲れてるみたいで……」
うまく笑えない。明らかに自分は作り笑いをしている。まともに石堂さんの顔を見られずに俯いていると、不意に取られた腕を引き込まれた。
「っ――!?」
すっかり冷え切ってしまった身体に、石堂さんの温もりがじわっと伝わってくる。けれど、今はその温もりさえも悲しい。
「水谷になんて言われた? 俺が本社の人間で、人材開発部の部長とスフラグループの副社長を兼任している。それだけか?」
まだ他にも言われたことがあるだろう?と言われているようで、私は下手に誤魔化すのはやめてその重い口を開いた。