私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「あぁ、里美! 会いたかったわ……。里美が帰ってくるのをずっと、車の中で待っていたのよ。あぁ、どんなに私があなたを探したことか……」

お母さんが……私を探してた――?

母が付き添いの男性に目配せすると、彼はすっと玄関の向こうに下がってドアを閉めた。

二十年ぶりの親子の再会。あまりにも唐突すぎて、私はただ瞬きを忘れて呆然とするしかなかった。

「ほんとに……お母さん……なの?」

あまりにも信じられなくて、疑いの言葉が口をつく。そう言うと、母は「なに言ってるの、実の親をもう忘れたの?」と、ヒールの靴を脱いで無遠慮に部屋に入った。

「ち、ちょっと……勝手に――」

「ずいぶん質素な生活をしているのねぇ」

「え……?」
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