私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「あなた、今、レストランカフェスフラの本店でバイトしてるって本当なの? それ、どう見ても智美じゃないわよね?」

母は笑顔もなく、眉間に皺を寄せながら鋭く言った。そんなふうに言われても、今、姉がどんな雰囲気の女性かなんて知らない。

「……どうして、お母さんがこれを?」

他の写真にも手を伸ばして見てみる。どれも、同じようにキスをして抱き合っている。暗闇だったが、街灯の下で写るふたりを知る人が見れば誰だかわかる。

「この写真に写ってる相手の人は智美の婚約者よ、どうしてってこっちが聞きたいわ、なぜ智美の婚約者の人とあなたが一緒に写ってるのかしら?」

「え……?」

その言葉に、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。頭の中が真っ白になって、思考が止まる。
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