私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「あなたのことは探したわよ、一応ね。でも、結局なんの手がかりも掴めなかった。それに、もういい大人になっていると思ったし、たくましくどこかで暮らしているだろうって……」
――だからあなたのことは心配してなかった。
そう言葉が続いて聞こえたような気がした。
「スフラグループはこれからどんどん成長していく。もっと企業を展開していくには、不動産がバックについていたほうが、何かと店を出す時に都合がいいの、それにうちの会社も潤うし、営利的でしょ」
母はふふっと笑って足を組みかえ、私を冷ややかに睨んだ。
――我社にとっても意義のある婚約ですので。
確か水谷さんはそう言っていた。意義のあるというのは、こういうことだったのかとようやく腑に落ちた。
「あなた、石堂さんとどういう関係なの? 里美が一方的に言い寄っているのだとしたら手を引いてちょうだい」
「え……」
母の顔が一層険しくなって、追い打ちをかけるようにさらに言った。
――だからあなたのことは心配してなかった。
そう言葉が続いて聞こえたような気がした。
「スフラグループはこれからどんどん成長していく。もっと企業を展開していくには、不動産がバックについていたほうが、何かと店を出す時に都合がいいの、それにうちの会社も潤うし、営利的でしょ」
母はふふっと笑って足を組みかえ、私を冷ややかに睨んだ。
――我社にとっても意義のある婚約ですので。
確か水谷さんはそう言っていた。意義のあるというのは、こういうことだったのかとようやく腑に落ちた。
「あなた、石堂さんとどういう関係なの? 里美が一方的に言い寄っているのだとしたら手を引いてちょうだい」
「え……」
母の顔が一層険しくなって、追い打ちをかけるようにさらに言った。