私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
どんな人が来るんだろう。私のお見合い相手……か――。
母が選んだのは、三十歳の社長と言っていたけれど、正直、社長だろうがなんだろうが、石堂さんを忘れさせてくれるような人なら誰でもいい。そんな雑なことを思ってしまう自分が嫌になってしまう。
お見合いはちょうど正午からの予定だった。それまで、母と一ノ宮さんと何気ない会話をして待っていたが、正午を三十分過ぎても、なぜかお見合い相手は現れなかった。
「失礼致します。お食事のご用意はいかがなさいますか?」
お見合い相手と昼食をしながらの予定だったのか、なかなか準備の整わない私たちに気を遣って、仲居が障子戸の向こうから声をかけてきた。
母が選んだのは、三十歳の社長と言っていたけれど、正直、社長だろうがなんだろうが、石堂さんを忘れさせてくれるような人なら誰でもいい。そんな雑なことを思ってしまう自分が嫌になってしまう。
お見合いはちょうど正午からの予定だった。それまで、母と一ノ宮さんと何気ない会話をして待っていたが、正午を三十分過ぎても、なぜかお見合い相手は現れなかった。
「失礼致します。お食事のご用意はいかがなさいますか?」
お見合い相手と昼食をしながらの予定だったのか、なかなか準備の整わない私たちに気を遣って、仲居が障子戸の向こうから声をかけてきた。