私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「こんな素敵なカフェでお仕事ができるなんて……あ、このコーヒーカップって有名なブランドのですよね? お店に飾ってあるアンティークは石堂さんの趣味なんですか?」

「さぁ」

「スフラってスイーツのお店とかも有名ですよね? この前雑誌に掲載されているの見ました」
気持ちが高揚して喋りすぎた、と気がついた時にはすでに遅かったようだった。石堂さんは、私と目が合うとふいっと目を逸らして、嫌なものでも見たような表情で顔を曇らせていた。

目、逸らされちゃった――。

もしかして、ちょっと調子に乗りすぎた――?

相手の様子に過敏になってしまうのは昔からだ。相手のことを知るために自分から余計につい話しかけてしまう。それが時として仇となってしまうことはよく知っているはずだったのに……。

「お喋りが過ぎましたね……すみません、気に障りましたか?」

なにかあるなら教えて欲しい。そう思うと私はぽつりと尋ねていた。

「あの、さ……」

「はい」

石堂さんが冷めた横目で私を見ると……。
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