私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「慧とうまくやっていけそうかな? まぁ、まだ初日だからわからないか」

雅人さんの唐突な質問に、私はどう返事をしていいか躊躇した。嫌いなタイプと言われて、はい、うまくやっていけます!なんて言っていいものなのだろうかと考えてしまった。

「うまく……いくといいなとは思ってます」

「そっか、まぁ、いじめられたらすぐに僕に言うんだよ。気難しい性格で、三十三にもなって大人げないとこあるから」

「あはは、大丈夫です。私、打たれ強いんで」

私はぐっと拳を握って見せた。

「頼もしいね。あ、そうだ。慧からマニュアルもらった? それ、よく読んでおいてね」

「わかりました」

雅人さんはそう言うと笑って、私の肩をぽんぽんと軽く叩くと仕事へ戻っていった。
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