私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
そして翌日。

上司に報告書を見せて、その反応をドキドキしながら待ったことは何度もある。けれど、石堂さんの場合はその雰囲気に加えて異様な威圧感がある。

「ふぅん、それで?」

仕事が始まる前にタイミングを見計らって、昨日の件を石堂さんに話した。石堂さんは、コーヒー豆のコンディションを手にとって確認しながら私のことは見向きもしない。

「見習いの身だって事はわかってます。勝手な約束としてしまったことも……。でも、私の大切な友達なんです、だからお願いします! コーヒーの淹れ方を教えてください!」

これでもか、というくらい頭を下げてコーヒーの淹れ方の教えを乞う。石堂さんは何も言わず、まるで私が目に入っていないかのように仕込みを始めた。

やっぱり、駄目……かな――?

そう思って半分諦めかけたその時……。
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