私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「ご注文はアイスコーヒーでよろしいですか?」

「え? ホットって言ったんですけど? それにコーヒーじゃなくてカフェラテ。ちゃんと注文聞いてくれる?」

「す、すみません!」

あ~間違えた! 慌てない、慌てない――。

怪訝な表情の女性客にぺこりと頭を下げて、石堂さんのところへオーダーを持っていく。

「石堂さん、注文お願いします」

私の失態を知ってか知らずか、石堂さんがジロッと私を睨む。

う、完全に怒ってる……よね――?

人間だもの、聞き間違い勘違いのひとつやふたつ……。とつい自分に言い訳をしそうになるが、甘ったれた気持ちを一掃する。
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