私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「お待たせしました。こちらカフェラテになります」

先ほどの女性客のテーブルにカフェラテをドキドキしながら、アートが正面に見えるようにそっと置く。

「わぁ、綺麗ね」

会社帰りのOLだろうか、難しい顔で書類に目を通していたが、案の定そのラテアートを見るなりパァっと明るい表情になった。

「さすが石堂さんね」

石堂さん? 名前を知ってるってことは、もしかして常連さんかな――?

「さっきはごめんね、きつい言い方して……ちょっと仕事で立てこんでて、ここにくればほっとひと息つけると思ったから」

「いえ、こちらこそ、申し訳ありませんでした」

その女性がひとくちカフェラテに口をつけると、癒されたように大きく息をついた。
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