私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「やっほー、里美。バリスタ衣装、似合ってるじゃない」
「あ、沙耶」
もう少し石堂さんのことを雅人さんに聞きたかったけれど、私はひとりで来店した沙耶を早速席に案内した。
「いらっしゃいませ」
少しでも様になるようにかしこまって見せると、沙耶はふふっといつもの笑顔でブレンドを注文した。
「あ~、寒い! ホットね、香りがいいのがいいな」
「はい。かしこまりました」
見るといつの間にか石堂さんがカウンター内に立っていて私を見ている。「大丈夫です。失敗なんてしません」そう私が目で返すと、石堂さんの口元が小さく笑った気がした。
香り重視のコーヒーを注文され、私はどの豆をブレンドするか考えた。
グアテマラ……キリマンジャロかな――。
多種に渡って豆には特徴がある。それはまるで人の性格にも似ている。ただブレンドといってもコク重視のもの、香り重視のもの、とそれぞれだ。
「これ使え」
悩んでいる私を見かねてか、石堂さんが掴んだ布袋をずいっと私に押し付けた。
「あ、沙耶」
もう少し石堂さんのことを雅人さんに聞きたかったけれど、私はひとりで来店した沙耶を早速席に案内した。
「いらっしゃいませ」
少しでも様になるようにかしこまって見せると、沙耶はふふっといつもの笑顔でブレンドを注文した。
「あ~、寒い! ホットね、香りがいいのがいいな」
「はい。かしこまりました」
見るといつの間にか石堂さんがカウンター内に立っていて私を見ている。「大丈夫です。失敗なんてしません」そう私が目で返すと、石堂さんの口元が小さく笑った気がした。
香り重視のコーヒーを注文され、私はどの豆をブレンドするか考えた。
グアテマラ……キリマンジャロかな――。
多種に渡って豆には特徴がある。それはまるで人の性格にも似ている。ただブレンドといってもコク重視のもの、香り重視のもの、とそれぞれだ。
「これ使え」
悩んでいる私を見かねてか、石堂さんが掴んだ布袋をずいっと私に押し付けた。