私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「美味しい! 私がいつもここで飲んでるのと変わらないよ。東京に来る機会があったら絶対また来る」
「ほんと!?」
「うん、里美、きっといいバリスタになれるよ」
そう言って沙耶は満足げににこりと笑った。その笑顔に、私の緊張もようやく解けた。
これがバリスタのやり甲斐なんだ――。
今までに何度も石堂さんが淹れたコーヒーを運び、そのたびに客は喜んで帰っていく姿を見てきた。今度は自分自身が淹れたコーヒーで同じように喜んでもらいたい。そう思っていたことが、いま現実になった。そして、私の中でこのまま見習いで終わりたくない。という願望がみるみる大きくなっていった。
「このカップケーキも美味しい! 店のメニューになかったと思うけど、これって裏メニュー?」
にこにこしながら沙耶がフォークで小さく切り口へ運ぶ。よほどカップケーキが気に入ったのか、すでに三つとも平らげていた。
「気に入ってくれた? この店の元店長だった雅人さんが特別に作ってくれたの。もし食べ切れなかったらお土産に持って帰ってね」
「心配ご無用、全部食べちゃう!」
雅人さんが気を遣って一緒に食べるといいよ、と言ってくれたけれど、沙耶の幸せそうな笑顔を見ていると、私が一緒に食べてしまっては水をさしてしまうような気がした。
「ほんと!?」
「うん、里美、きっといいバリスタになれるよ」
そう言って沙耶は満足げににこりと笑った。その笑顔に、私の緊張もようやく解けた。
これがバリスタのやり甲斐なんだ――。
今までに何度も石堂さんが淹れたコーヒーを運び、そのたびに客は喜んで帰っていく姿を見てきた。今度は自分自身が淹れたコーヒーで同じように喜んでもらいたい。そう思っていたことが、いま現実になった。そして、私の中でこのまま見習いで終わりたくない。という願望がみるみる大きくなっていった。
「このカップケーキも美味しい! 店のメニューになかったと思うけど、これって裏メニュー?」
にこにこしながら沙耶がフォークで小さく切り口へ運ぶ。よほどカップケーキが気に入ったのか、すでに三つとも平らげていた。
「気に入ってくれた? この店の元店長だった雅人さんが特別に作ってくれたの。もし食べ切れなかったらお土産に持って帰ってね」
「心配ご無用、全部食べちゃう!」
雅人さんが気を遣って一緒に食べるといいよ、と言ってくれたけれど、沙耶の幸せそうな笑顔を見ていると、私が一緒に食べてしまっては水をさしてしまうような気がした。