私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
けれど、なんとなくふたりに不穏な空気が漂っている。

「おっと、花岡さんごめんね。着替え中でなくてよかった」

石堂さんと雅人さんは口論ではないが、なにやらもめているように見えた。石堂さんは私の存在に気がつくと、席を外せ、と言いたげにじろっと鋭い視線を向けてきた。

「私、外に出てきますね。十六時までには戻りますから」

次の仕事は十六時から。それまで三時間近く時間がある。休み時間が長い時は映画を観たり、近くのカフェに行ったりして時間を潰していた。

「あ~いいんだ、僕らに気を遣わないでいいから。いやね、今、二十五日限定でクリスマスセットメニューを慧と話し合ってるんだけどさ、なかなか話しがまとまらなくて……」

雅人さんが頭を掻きながら困ったように言う。
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